ねこのごろごろ

おさかなねこです。

雨と私の左肩

ずどどどど、音を立てて落ちてくる雨。窓の向こうなのによく聞こえる。机に突っ伏してうたた寝していた私の耳にも届いたらしい。雨の日の夢をみた。もういったい何年前になったのか、懐かしい日の夢だった。でも現実の過去とはエンディングが異なっていた。

夢のなかの私は、ちゃんと自分の傘を使ったのね。

「私の左肩を濡らしてでも入りたかった傘は、これじゃない」。自分の傘を広げて、私は雨の道へと踏み出した。頬は濡れていた。そのかわり左肩は濡れていなかった。夢のなかで泣きながら、晴れの日みたいに笑っていた。

 

目覚めたら机によだれが垂れていた。拭きながら苦笑して、それからぷっと吹き出した。

ほら。雨の日も素敵じゃないの。